介護が始まってから、
時間の感じ方が、少しおかしくなりました。
同じ一日なのに、
やけに長く感じる日と、
気づいたら終わっている日がある。
何をしたわけでもないのに、
どっと疲れている日もあれば、
あれ、今日はもう夜?と思う日もありました。
特別な予定があるわけではありません。
時計を見て、
次に何をするかを考えて、
それを終えたら、
また時計を見る。
ただそれだけなのに、
時間が、妙に重たい。
昼間は、
やることがいくつも頭に浮かんで、
どれから手をつければいいのか分からなくなる。
夜になると、
一日が無事に終わったような、
終わっていないような、
不思議な感覚。
早く過ぎてほしいのに、
過ぎてしまうのが怖い。
そんな気持ちが、
同時にありました。
たぶん、
時間そのものが変わったというより、
「待つ時間」が増えたのだと思います。
次の薬まで。
次の様子を見るまで。
次の判断をするまで。
何かが起きるわけでもなく、
何も起きないことを、
確認し続ける時間。
その時間は、
驚くほど長い。
一方で、
自分の家に戻った日は、
時間が一気に縮みます。
仕事を始めると、
途端に、
水を得た魚のような感覚になる。
考えて、
判断して、
言葉を選って、
頭も心もフル回転。
介護の時間が、
どちらかといえば「頭をオフ」に近いとすれば、
家に戻って仕事をする時間は、
完全に「オン」。
そのギャップが、
最初は戸惑いだったのに、
次第に、
この生活を楽しむコツのようなものになっていきました。
介護の時間は、
気を張りすぎないように過ごす。
家に戻ったら、
思いきり動かす。
今思えば、
介護の時間が、
逆に、
心と頭を休ませる
充電時間になっていたとも言えます。
そんな切り替え方を、
時間をかけて、
少しずつ掴んでいった感じです。
そのおかげか、
自分でも思っていた以上に、
少し強くなったような、
少し図太くなったような。
一日が長い日と、
短い日。
その行き来を繰り返しながら、
自分なりのリズムが、
ようやくできてきた頃でした。

