おわりに/この記録について

ここまで、この記録を読んでくださり、ありがとうございました。

この文章は、
何かを伝えるために始めたものではありません。
誰かの役に立てたい、
答えを示したい、
そんな目的があったわけでもありませんでした。

ただ、
日々が過ぎていく中で、
忘れてしまいそうな時間を、
そのまま置いておきたかった。

それだけでした。

在宅で過ごす日々は、
劇的な出来事の連続ではありません。
多くの時間は、
何も起きないまま、
静かに過ぎていきます。

けれど、その静けさの中には、
確かに人の気配があり、
生活があり、
時間が流れていました。

この記録に、
はっきりとした結論はありません。
選択が正しかったのか、
今も分からないことばかりです。

それでも、
立ち止まり、
考え、
迷いながら、
同じ時間を生きてきました。

もし、この記録の中のどこか一行が、
あなた自身の時間や記憶と
そっと重なることがあったなら、
それだけで、
この文章を残した意味は
十分だったのだと思います。

これは、
過去をまとめた物語ではなく、
今も続いている時間の途中にある
ひとつの記録です。

ページを閉じたあとも、
それぞれの生活が
それぞれの場所で
静かに続いていくことを、
願っています。